G7広島平和サミットが閉幕した5月下旬の週明けに締め切りの迫ったこの原稿を推敲しています。権威主義(独裁)国家による侵略戦争を制止できない国際社会に生きている一人の責任ある大人として、長期化する戦争で犠牲者が膨らむ悲惨な現状を前に、嘆くことしかできない無力感に苛まれています。
切り替えます。生徒のみなさんによく話す言葉に、「普段が全て」があります。毎日毎日、考えるべきこと、行うべきことを地道に積み重ねていったことだけが成果となります。それが全てであって、最後にまとめてやっつけ仕事というわけにはいきません。至極当前のロジック(最良の結果を求めるための唯一の論理)です。ペスタロッチは、「生活が陶冶する」と言いました。普段の生活がその人の能力や人格を育て上げるという至言です。
坂本龍一は、医聖ヒポクラテスの格言Art is long Life is shortを好んでいたとされますが、その真意は、「人の一生は短いが芸術は永遠だ」ではなく、『医術を学ぶには長い時間が必要だが人の一生は短い』、『学問を究めたければ時間を大切に使いなさい』、「少年老い易く学成り難し」、「光陰矢の如し」というものです。
4月、新年度がスタートしたと思っていたら、この校報が出るころはもう7月下旬、1学期が終わろうとしているでしょう。生徒諸君に告ぐ!!入学前のオリエンテーションで話している「即除日起講」即ち除日に講を起こす=明日からではなく、今すぐ、今日から勉強を始めよう。「普段が全て」=「毎日、考えること、行うこと・・それが全てです」
<校報誌 栃の葉 第59号(2023.7)>