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<校長通信> Society5に向かう子供たちへの大人の責任

 今般の教育現場では、ICT教育こそ優先的絶対課題となり、小中学校のGIGAスクール構想に異を唱える人はいない。日本中の学校で子供たちにタブレットが配られICT教育のスキルアップへ導かれていく。Society4=情報社会の先には、Society5=AI、ビッグデータがもたらす夢のようなデジタルユートピアが待っているという先行イメージがメディアから溢れる。

 2001年にグーグルがユーザーの行動余剰(行動データ)という鉱脈を発見し監視資本主義がスタートした。その後20年でGAFAM(Big5)=巨大IT企業のプラットフォームが世界中の官民の行動を支配し最早この激流を堰き止めることはできない。Eコマースやオンラインゲーム、SNS依存症に陥ったユーザーの行動余剰は、Big5他IT企業が加工する情報商品の原材料=ビッグデータとして利用、蓄積される。

 こうした事態となったデジタル社会を容認し推進する大人たちには、監視資本主義に対抗する知見を高め、特に子どもたちを守るための倫理的道徳的危機管理を研ぎ澄まし、その上でICT教育、DXリテラシーを適切にリードする責任が生まれた。SNSがマストツールとなりDX正義となった社会に生きる子供たちが、巨大IT企業の商業プロジェクトの犠牲になることがあってはならない。スティーブジョブズは自分の子供に対してスクリーンタイムを厳しく制限したと話している。子どもの教育上、ある種危険な道具と知っていたからだ。


<校報誌 栃の葉 第56号(2022.2)>

2022.02.28

白鴎大学足利中学校